色鮮やかな花々は散って、四季は夏へと変わりつつあった。
私が神様の学園へ召喚されてから、すでに様々なものが変化を遂げている。でも……
「また……」
登校して早々にため息が漏れた。
なぜなら教室へ入る直前、扉に仕掛けられている
黒板消しの存在に気づいたからだ。これは間違いなく……ロキの仕業。
「…………………………」
私は無言で手を伸ばし、扉の隙間に挟まれた黒板消しを回収した。
それから慎重に扉を開いて他に何も仕掛けがないことを確認してから教室に入る。
途端。
「つまんないの~」
不満げなロキの声が耳に飛び込んできた。
「イタズラで楽しむなんて駄目ですよ。何度言ったら……」
注意しながら黒板消しを黒板へ戻す。しかし、その瞬間に奪われてしまった。
「あ! 待ってください、ロキさん!」
「戻しちゃダメダメ~! 朝はまだ始まったばっかりなんだからァ!」
ロキは楽しげに笑いながら、再び黒板消しを扉にセットする。
「だから、やめてくださいって!」
奪い返そうと私は必死に手を伸ばす。
そのときだった。
「ふぎゃっ!!!」
突然ガラリと扉が開き、誰かが黒板消しの罠にかかってしまった。
「ビンゴォ!」
上機嫌に声を上げるロキ。一方、私は青ざめていた。理由は黒板消しが直撃した相手が……
「た、尊さん」
ロキとは犬猿の仲である彼だったからだ。
「アハッ、アハハハハッ! ターたん、もう最高ッ! チョークの粉がお化粧みたいだよォ?」
顔が真っ白になった尊を見て、ロキはケラケラと笑っている。
「ロキ、てめぇ……! ぶっ飛ばす!!!」
続きは電撃Girl's Style4月号にて御覧ください。