斜陽が、箱庭の空を焦がしていた……
ギリシャ神話の主神ゼウスが創造した、この世界へ来て数週間。
集められた神様たちは少しずつやる気を出して、
学園の活動に精を出すようになっていた。
しかし、同時に問題も起きている。
「ハァ……部活って、シンドイよねぇ~」
「あぁ、たりぃよなぁ。部活ってのはよ」
放課後の教室で、ロキはそう不満を漏らしていた。
犬猿の仲である尊も、珍しく同意している。
「しんどいって、どういうことですか?」
異常事態を察知して私は声を上げた。
生徒である神様のサポートをするのが私の仕事だから、
不満要素があるのなら何らかの対策を取らなくてはいけない。
「どうって、言われてもぉ……何て言うのかなァ?」
ロキと尊は双生児のように息ぴったりに腕組みをして考える。
私は、これから訪れるであろう無理難題を思い、息をのんだ。
そのとき。
『ぐぅぅー!』と、尊のお腹が鳴った。
「ターたん、それだッ! お腹ァ! 部活の時間には腹ペコなんだよぉ~」
「おれを変な名前で呼ぶんじゃねぇ!」
尊は不快な顔をして、ロキを鋭く睨みつける。
しかし私は険呑な雰囲気に構わず、首を傾げていた。
「……お腹?」
「空腹に耐えられんということだろう」
私の疑問に答える謎の声。ハッと振り向けば、すぐ後ろに生徒が立っていた。
「ハ、ハデスさん……?」
「すまん、驚かせたか? お前たちの会話が気になってな」
続きは電撃Girl's Style11月号にて御覧ください。