「……授業は以上だ」
教壇に立つトトがそう言った直後、授業終了を知らせるチャイムが鳴り響く。
神様たちの学園へ召喚されてから既に1ヶ月以上経ち、私は少しずつここでの生活に慣れ始めていた。
「おい」
「……?」
「貴様を呼んでいる。ぼさっとするな」
もしかして……と声の方へ視線を向ければ、少し苛立った様子でトトがこちらを見ていた。
「な、なんでしょうか」
「貴様に用事だ、ついて来い」
「え? あ……!」
私の返事を待たず、トトは教室を後にしてしまう。
「待ってください!」鞄を手に取り、私は慌ててトトを追いかけた。
廊下で待機しているのかと思えば、トトは私を待つことなく歩き続けている。彼の後ろ姿はもう遠い……
「ト、トト様!」
全速力で駆けて、なんとか追いつくことに成功する。けれどその後も彼は歩き続け、歩きながらの話が始まった。
「あの、用事って……?」
「貴様に買い出しを頼みたい。知っての通り、私は多忙なのでな」
……だから歩きながら話しているのだろうか。
「何を買いに行けばいいんでしょう?」
「一味唐辛子10g」
「…………え?」
想像と違う内容だった。
「い、一味唐辛子ですか?」
「それから黒胡椒2g、アサフェティダ23g、アニス5g」
トトは買い出し内容を呪文のように唱えていく。
「メモします!!!」
私は大急ぎで鞄からメモ帳を取り出して、彼の言葉を記録する。
続きは電撃Girl's Style5月号にて御覧ください。